産地 日本、東京
製造者 株式会社 羽田麦酒
度数 40度
価格 2800円/500ml
ボタニカル カモミール、ジュニパー
※酒税法上の品目としてはスピリッツではなくリキュールとなっている
概要
2021年9月、宮崎県の宮崎市と日向市のイオンというかなり限られた店舗にて急遽販売されたジン。
一応品目はリキュールとなっており、エキス分で甘みを付けていると思われます。
特徴としてはボタニカルがカモミールとジュニパーということ。
もしかしたら他のものも使用しているかもしれませんが、調べた限りでは分かりませんでした。
おそらくジュニパー以上にカモミール成分が強いと思われますが、ジンのスタイルとしてはロンドンドライジンでもなければ国産ジンで割合多い焼酎ベースのジンとも違います。
漬け込みジンーいわゆるコンパウンドジンとして製造されているようです。
ボタニカルの主成分を占めるカモミールは、日向市東郷町で栽培しているものを使用し、ソムリエ監修のもと、羽田麦酒さんが製造を行っています。
おそらくカモミールを活かしたお酒作りということで、羽田麦酒さんに製造を依頼した形となっていると思われ、実際に発売日には宮崎市には宮崎県知事の河野知事と、監修にあたったソムリエ高野豊さんがイオンに来られ発売セレモニーを行ったそうです。
残念ながら私は所用があったため開店すぐにお酒コーナーに直行して購入、セレモニーには参加できませんでしたが、いくら県産のカモミールを使っているとはいえ、宮崎県民に浸透しきっているとは言い難いジンの発売に県知事が参加されるというのは大きな驚きでした。
製造が宮崎でない為、県産ジンとは言いにくいですが、大手ショッピングモールであるイオンが計画の一旦を担っているというのは、各地域の特色を活かした製造物としてのジンの可能性と今現在のブームが評価されてのことだと思います。
評価
味わい B+
香り A
入手性 D
コスパ A
個人的評価 B+
味わいに関してですが、ジン、というよりは薬草酒というイメージを抱きます。
ハーブ系の甘苦さを感じた後にジュニパーっぽさの尻尾が感じられますが、濃縮されたカモミール由来のりんごのような甘みが強力です。
確かにジンというよりはリキュールのほうが、味わいの意味での感覚は重なります。
ただしジンっぽさが控えめという点を越えて面白いのは、カモミール由来の甘みを存分に味わえること、雑味のなさ、そして恐ろしいくらいにアルコール感が少なく、喉を焼くような感覚が一切ありません。
ジンとしての評価が難しくB+としましたが、純粋なお酒としての味わいは面白いです。
香りに関してはこれでもか、といわんばかりのカモミールです。
この香りという要素でも色々使えるかもしれません。
花っぽさと草っぽさ、ハーブを楽しんでいるという感覚が味わえます。
入手性に関してですが、おそらく継続販売ではなく今回の企画での売り切りだと思うので今後はもう入手できないかもしれません。
今後、県産カモミールを利用して焼酎メーカーさんがジンを作ってくれれば似たような製品を楽しめることになるかもしれませんが、現時点ではそのような動きは耳に入ってきていません。
コスパは良好で、500mlで3000円と一般のスタンダードジンよりは高額、国産クラフトジンとしては普通の価格。
しかしながら量を減らしたことで冒険しやすい値段になり、実際にガブガブ飲む類のお酒ではないので、カモミールを強調したお酒を楽しむ価格としては良好だと思います。
総評としてはB+としています。
味も香りも万人向けとは言い難いですが、アルコール感のないクリアな喉越しは注目に値すると思っています。これまで、高度数でありながら度数を感じさせないというお酒をいくつか飲んできましたが、それらに仲間入りできるレベルです。
厳密にはリキュールというジャンルに分類されるのが複雑ではありますが、商品が属するカテゴリーとしてはジンとして売り出しているので、今回はジン側からみてのレビューとしました。
故に少々辛口目かもしれませんが、こうした地域特産物を活かして創るという流れがあり、そこにジンの存在があるというのは、地方住民としても、ジン好きとしても、個人的には嬉しいことであります。
そういった意味でも、私にとっては印象が強く残るであろうジンです。
価格:4,070円 |
ハーブの名前を関する外国産のジン。上はゼラニウム。未飲なのでいつか飲んでみたいです。
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