虎ノ門蒸留所 ラベンダージン

ジン

産地    日本
製造者   虎ノ門蒸留所
度数    45度
価格    5500円程度/500ml
ボタニカル ジュニパー、ラベンダー、他不明

概要

東京の島焼酎をベースに作られる、蒸留所併設の居酒屋&BAR 「酒食堂 虎ノ門蒸留所」からリリースされたクラフトジンです。
こうした都会の中に蒸留施設をこしらえ、すぐ側で飲食を楽しむというスタイルは流石東京といった感じで地方在住の私にはただただ羨ましいかぎりであります。

地元ではあまり感じられませんが、都市部ではクラフトジンはもちろんスピリッツ類との向き合い方の演出、選択肢が豊富で、個々がお酒にこだわりを持つ時代に入ってきているんだなあと、こういうジンを見てしみじみ思います。

製品の話に戻りますが、この蒸留所のレギュラージンは『COMMON(虎門)ジン』であり、今回紹介するのはラベンダーを効かせた時季製品となります。

ジャパニーズクラフトジン

『季の美』以降、ジャパニーズクラフトジンの生産の主体は地方であることが多かったなか、いよいよ都市部でもちらほら生産されるようになりました。
そのすべての動きを追えているわけではありませんが、今もこうして新たなジンが生まれ続けているということは、地道にクラフトジンが私達の酒ライフに根付いてきていることの現れなのかもしれません。

正直なところジャパニーズクラフトジンは単価が高かったり希少性が高いものも結構あるので、全てを制覇するのはまず難しいのですが、それだけ地酒ならぬ地ジンが増えているんだと、そちらの方向でまずは喜ぶべきと自身に言い聞かせています。
それだけ購入意欲を刺激されるジンがでてきています。

ただ、基本的には焼酎ベースのジンが多いため、伝統的なロンドンドライジンっぽさを求めるとなると肩透かしを喰らうかもしれません。
でも嗜好品かつジンなのですから、ジャパニーズクラフトジンをある種の一つのカテゴリーとしてとらえて、それぞれを楽しめるようになると得じゃないかなあと思うわけです。

まあ、それだけジンはスタンダードクラスが充実しておりコスパも良好なので、そうした外国産ジンと比較される国産ジンが生き残っていくのは大変そうだなあとも感じます。
製造するだけでなく、どう供給するのか、どういう仕掛けをつくるのか、舞台を演出するのか。
純粋な味のみといった単一的な評価でなく、様々な尺度で評価し、活用を想定していかなければ残れない。そこを乗り越えて新たなスタンダードであったり地酒になりえるのか、今後もしばらくは目が離せないジャンルであります。

評価

味わい   A
香り    B+
入手性   C
コスパ   B
個人的評価 A-

味わいに関して、後発のジン故の雑味の少なさ、味のまとまりの良さが感じられます。味がしつこくなくスっと抜けていく感触が心地よく、甘み程々に焼酎っぽさが含まれる苦味がじわっと残ります。
柑橘系の甘さもあるので女性でも美味しく感じられやすいと思いますが、苦味の残り方がひっかかるかどうかといったところかもしれません。

香りはラベンダーの、というと安直すぎますが優しい香りあり、焼酎くささは感じられず嫌らしくない草っぽさ、ハーブさを感じます。

入手性ですがネットでもところどころでは売り切れですので、逆に扱っている酒屋さんを探して購入することになりそうです。
蒸留所現地で買えるかどうかはわかりません。

コスパに関してはBとしていて、やはり500mlで5000オーバーはジンの初心者向けの価格ではなく愛好家、コレクター向けの価格だと思います。
最初に気合を入れてこれを一本買うよりも、他のクラフトジンを味わい、少し回り道をしたあとでこちらを試したほうが満足度が得られると個人的には思います。

個人的評価としてはA-をつけています。
ジャパニーズクラフトジンというカテゴリーで見ても、雑味少なく意外と軽やかに飲めるスタイリッシュなジンです。
ただしガツンとした力強さでは他のクラフトジン達に押されており、居酒屋併設の蒸留所らしく食中酒としての役割を意識されていると思います。
私個人は少々高いながらも美味しいジンだと思いますが、人によっては押しの弱さが気になり物足りないと感じられるかもしれません。
しかしこのサっとジンを飲める感触は捨てがたく、一本は家に置いておきたい衝動にかられます。

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