モンキー47

ドイツ

生産地   ドイツ
度数    47度
価格    5500~6000円程度(500ml)
ボタニカル ブラックフォレスト原産の香味植物47種類!

ジンの概要

ペルノ・リカールジャパン社が扱うドイツ産プレミアムなクラフトジン。
注目すべきは47種類という恐ろしい数のボタニカル数。
通常のジンはボタニカルを6~10種くらい使用していると考えると色々とすごいジン。

ドイツに移り住んだ 英国空軍のモンゴ メリー・コリンズ中佐が試行錯誤の上創り出したレシピに魅せられ 、開発に力を注ぎ最高のレシピを完成させたとのことです。

2006年にアレクサンダー・シュタインという方が、コリンズ氏のレシピを復活させようと動き始め、2008年にブラックフォレスト蒸留所を建設、地元で有名な蒸留職人「クリストフ・ケラー」と出会い、共に開発を重ね、この銘柄を生み出したということです。

このジンのすごいところ

個人的にこのジンがすごいと思う点が3つあります。

1,ボタニカル数
2,広告戦略
3、ボトルや公式ホームページのデザイン

1 ボタニカル数

通常のジンはボタニカルの使用種類は6~10、ちょっと多くて20いかないくらいだと思います。
そこから考えるとボタニカル数が47というのは驚異的です。
ボタニカルの多さが=ジンの旨さに直結するとは限らず、うまくまとめないと香りがとっちらかってしまいます。
また、材料が多ければ手間と原料費もかかります。
実際にこのジンは500mlで6000円近い価格ですので、ジンの中ではかなり高価な部類です。

今でこそクラフトジンブームで、そのような価格帯も珍しくありませんが、これが販売され酒屋で目にするようになった当初、この価格帯のジンは『バスタブジン』や『ビーフィーター バロウズリザーブ』くらいしかなかったですね。

Barで取り扱われている割合としては上記3銘柄の中では『モンキー47』が圧倒的だと思います。
それぞれ系統が異なった銘柄ですが、驚異的なボタニカル数をうまくまとめたモンキー47の力を伺いしれます。

2 広告戦略

すべてではないにしても、お酒にはストーリーがつきものです。
歴史、制作秘話、有名人の活躍。
そうした外的要素は脳に働きかけ、人々の関心はもちろん味にも左右します。
ドイツの森林原産、天才的な蒸留職人、ユニークな誕生話。
こうしたものは商品を売り出す方としても、お客さんへの話のタネやとっかかりになります。

正直なところ、ジンに興味と深い愛着を持っている飲み手というのは、飲み手全体でみたときにマイノリティーだと思うのです。
知らないだれかのレシピを、知らない職人が作った。
普通はジンを飲むときの認識なんてそれくらなものじゃないかな、と。

しかしネット上ではココからジンにはまった!初心者にオススメ!という口コミが散見できます。
私は東京に住んでいないのでリアルな肌感覚はわかりませんが、一つのジンの銘柄の知名度をここまで押し上げるのはすごいことだと思います。

3、ボトルや公式ホームページのデザイン

異論はあると思いますが、私が思うにジンにおけるボトルデザインというのはかなり重要だと思います。
他の4大スピリッツ(ウォッカ ラム テキーラ)と比較して、ボトルデザインに力点の比重が多く傾けられる必要があるということです。

基本的に、ジンは作り手のブランディング力があまり強くないお酒だと思います。
ウイスキーを見ればおわかりだと思いますが、ウイスキーでは「蒸留所」というものが強力なブランド力を持っています。
対してジンでは蒸留所そのものが話題になることは少ないです。
話題になっても国内初だとか、ニュース、地域特産品の誕生だとか、そうした文脈として扱われることが多い。

ブランド買いされにくい場合、消費者の目に止まってもらうには外観に気を使い、とりあえず手にとってもらわないと話になりません。
どこの酒屋でも試飲ができるのならば別ですが、基本的には買わなければ味が分からないのです。

だから私はボトルデザインも重要だと考えているのですが、『モンキー47』はその点でも非常に優秀です。

切手を模したラベル、誕生の象徴でもあるインドアカゲザル、ドイツらしい?薬瓶っぽいボトル。
ここまでくるとお酒でもあり、またインテリアでもあると言い切ってしまえるほどの存在感。
公式ホームページもかなり力が入っています。
https://monkey47.com/


評価

味わい    A
香り     A+
入手性    B
コスパ    B
個人的評価  A

香りは複雑でフルーティーさやスパイシーさ、薬品っぽさがいりまじっています。
カルダモンのような香りが後に強く残ります。
味わいは最初に果実味のある甘さがきて次いで植物的な苦味、スパイシーな辛味がきて香り同様に複雑で飲み手を飽きさせません。
後味が強く残り、悪い表現をすれば辛口の歯磨き粉のような感触。
アルコール感は少々。

入手に関しては一昔まえは売り切れなどで難しかったですが、今では高級食材を扱うスーパーでもたまにみかけます。
限定品でなければ普通に買えると思います。

コスパに関してですが、フルボトルにすると8000円前後換算になるので、ガブガブ飲める銘柄ではないでしょう。
味わいがスタンダードなジンとは違っているので、好みに合うかどうかでコスパは大きく上下されるでしょう。
購入される前に、一度Barで飲まれるのはオススメします。

個人的には万人向けのジンだとは思っていません。
スピリッツ類をある程度飲み慣れた方向けだと思います。
おいしいジンではあるのですが、私の好みには少々外れています。
しかしジンを語る上では、一回は飲んでおきたいジンでもあります。
それだけこの銘柄の存在感は大きいです。

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