生産地 日本、熊本県球磨郡あさぎり町
製造 合資会社高田酒造場
度数 47度
価格 5000円前後(700ml)※写真はベビーボトル 600円/90ml
ボタニカル ジュニパーベリー
熊本産の柑橘類(晩白柚、不知火柑、甘夏、晩柑、はるか、ゆず )
ローズゼラニウム しょうが など
概要
創業が明治35年、高田酒造場さん製造の「ジャパニーズクラフトジン」です。
熊本県ということもあり、宮崎や鹿児島同様に焼酎が強いエリア。
ベーススピリッツは播磨焼酎であるので、焼酎風味をどう扱っているのかが一つのポイントでなるであろうジンでしょう。
旨味を残すために濾過をほどほどにされているらしく、ロックや炭酸で割ると白く濁るらしいです。
※実際試してみましたが薄く濁りますね。逆に風情があって良い感じ。
お酒の繋がり
私はお酒の製造、販売に関わっていないので業界全体がどのような空気感で、方向性を持っているのかわかりませんし想像しかできません。
しかし、「ジン」やスピリッツ類と通して、業界の繋がりや縁があるのだなあと思わされることがたびたびあります。
私自身の話はさておき、この『jin jin Gin』の製造にあたって、開発者の先輩にあたる方の協力があったとのことですが、岐阜県でジンを作っている小規模の蒸留所となればあそこしかありません。
本来洋酒である「ジン」を通して、国内での作り手さんの新しい挑戦や連携を感じられるのは、お酒の自由さ面白さを味以外で楽しめることであり、ストーリーとしての興味をそそられます。
お酒に必ずしも時代背景なり話題性なりといった外部要因が必要だとは思いませんが、味や値段以外の軸を持って眺める楽しさも、無視はできないと個人的には思います。
評価
味わい B+
香り A
入手性 B
コスパ B
個人的評価 A
味わいは「ジャパニーズクラフトジン」=焼酎といった評価に当てはまらないものでした。
軽い口当たりにハーバルな苦味、控えめの甘みが舌に残り、雑味は少ないです。
飲み終わりに焼酎っぽさが少々感じられます。
ロックだともともと軽やかなものなのでさらに飲みやすくなります。
香りのインパクトは落ちてしまいますが、夏にはよさそうです。
香りはハーブや花類のフローラルなものと柑橘の健やかな甘みを想像させるものが共存。
香り自体は前面に押し出てくるわけでなく、穏やかかつ控えめだけどしっかり香るという印象。
実店舗には洋酒専門店やジンに力を入れている場所でないと見かけないかもしれません。
ネットでは容易に購入できます。
コスパは味に見合った値段であると思います。
ジャパニーズクラフトジンの中では香りや味がしっかりしてるものの穏やかなので、手を出しやすい作りだと思います。
ミニボトルやベビーボトルもあるので、そちらを試してみるのも良いかもしれません。
まとめとして、比較的とっつきやすいジンなのかなと思います(焼酎ベースのジンの中で)。
私の肌感覚では、「ジャパニーズジン」の初期組より後発のジンのため知名度が高くない印象ではあります。
ただし、独特なネーミングと洋酒に寄せたボトルは「ジンっぽさ」があり、洋酒にならべても違和感がないのは良いし、手にとってもらいやすいんじゃないかな。
お酒の本質は味だとは思いますが、後発になればなるほどジン製造におけるネーミングやボトルデザインは重要度が増していくと私は考えるわけです。
日本はもともとジンを飲む文化が根付いている国ではないので、国産ジンが増えた中で味以外の情報というのは、勝負する上で大事なポイントだと思えるわけです。
今回のジンはジン全体で見ると高価かもしれませんが、各地の特産物を生かしたお酒を自由度が高いジンという形で楽しむのは非常に贅沢で幸福な時間であり、それを考えると納得だと感じています。
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