OSUZU GIN Kumquat (尾鈴ジン 金柑)

ジン

産地    日本、宮崎県
製造者   尾鈴山蒸留所
度数    45度
価格    1850/200ml
ボタニカル ジュニパー、生姜、山椒、金柑、柚子、椎茸など

概要

宮崎県、尾鈴山蒸留所が生み出した二本目のジンが、前作よりも金柑を強調したこの『OSUZU GIN Kumquat』となります。
無農薬の金柑を使用し、酒屋さん曰く「一作目よりも普段我々が飲んでいるジンに近くて飲みやすい」とのこと。

地元の素材に着目し、その比重によって作り分けるのはいかにもクラフト感があり、しかし一方でレギュラー化しにくい面が良くも悪くもあるので、今回の生産が終わって今後もこの金柑ヴァージョンが作られていくかは分からない、と聞きました。

一応前作のジンにも金柑は使われているので、今回のジンは金柑多めヴァージョンということと、おそらく前作での象徴だった榊は使われていないのかな、と思っています。

値段もほぼ変わらずなので、とりあえずはフルボトルよりも200mlボトルで比較的安価に様子を見ることができます。

評価

味わい   A
香り    B+
入手性   B-
コスパ   B+
個人的評価 A

味わいは前作と同様にA評価でみていて、焼酎風味のするジンというベース評価に上乗せして雑味なさ、味のまとまり、個性の面で加点しているといった感じです。
焼酎風味が残りすぎていると焼酎原酒+αみたいなジンになり、ジンという言葉のイメージと離れてしまいがちになってしまいますがこちらは上手くまとめているほうだと思います。
ベースの金柑は程よく感じられ、よくも悪くも柚津といった柑橘が強烈だった『油津吟』よりはおとなしめでスッキリ。
飲んだあとに喉がカーっとなる感じは少々あります。

香りは前作のウッディさが弱まり、重厚だがしつこくない金柑の香り。
日本の田舎、ずっすりどんよりした甘い香りがします。
甘さ一辺倒ではない点がドライジンっぽさを感じなくはないです。

入手性は黒木本店さんのブランドの知名度もあってそこまで悪くはないと思います。
ただし今後は若干入手しずらくなるかもしれません。(金柑ヴァージョン)

コスパはまあまあだと思います。
デイリー酒としてはボトル5000に迫る価格だと少々お高く感じるので、ジンやお酒の風味が好みに近い方でないと満足度が思ったよりも得られない可能性はあります。
逆に前作もそうですが、太めの軸と香りが備わっているので割ってのむベースとしては面白そうであり、そうした飲み方をされるなら一本手元にあってもいいのかなあと。

個人評価としてAを付けています。

焼酎風味は若干抑えめだと思いますが、そういったものが苦手な方は多少評価が下がるかもしれません。逆にトータルで考えたとき、原酒である『山ねこ』の風味を味わいつつジンとしても楽しむ、みたいな守備範囲が広い方には面白いジンの一つであると思います。

洋酒であるジンと国酒である焼酎の融合。
これは国産クラフトジンのほとんどが焼酎メーカーさんによる製造である点から、国産ジンにおける一つの要素であり、国産クラフトジンの細分化、ジャンル化する上での重要な捉え方だと考えています。
今はまだ表立った細分化はされていませんが、もしこのまま国産クラフトジンがブームの熱を継続していった場合、否応なく銘柄ごとの比較がなされ、ベーススピリッツが何でできていて、それがジンとしての完成度にどれほどの影響を与えているのか、そうした点が注目されていくかもしれないと思っています。

ベーススピリッツが焼酎一強ではなく、おそらくジャパニーズジンで一番メジャーであろう『季の美』が焼酎を使っておらず、そして低価格・安定した味わいの『桜尾ジン』も焼酎ではない点からも、焼酎を使っていない国産ジンのポジションにも目が離せません。

ちょっと今回紹介したジンからは離れてしまいましたが、国産ジンを選ぶ基準としてのベーススピリッツも、このままのブームを継続した場合は重要な要素になると思いますし、それぞれがどの国産ジンを買うのかの指標にもなるかもしれません。

芋焼酎 山ねこ 25度 720ml
ジョイホワイト(九州108号とも。薩摩芋の一種)と尾鈴山系の伏流水と常圧蒸留とを用いた芋焼酎。 こだわりの味わいです。

尾鈴山蒸留所の焼酎、『山ねこ』です。
尾鈴ジンはもうアマゾンにはないんですねえ・・・。

コメント

タイトルとURLをコピーしました