カスカウィン ブランコ

バジェス地方

生産地   メキシコ バジェス地方
製造者   カスカウィン蒸留所
度数    38度
価格    4000円程度
分類    テキーラ(ブランコ)

公式HP→カスカウィン蒸留所

概要

メキシコのバジェス地方、エル・アナレル地区に1904年に企業として生まれ、1955年にカスカウィン蒸留所が設立されました。
カスカウィンは「光の丘」あるいは「丘の祭り」を意味するとのこと。
バジェス地方の、親族経営の蒸留所のテキーラゆえ、伝統的で野趣に富んだ風味が特徴。

今回の銘柄は非熟成タイプのブランコ(熟成期間なし、あるいは60日未満)。

メディアへの登場

2015~2019年、松本人志さん、設楽統さん、小池栄子さんがMCを務める『クレイジージャーニー』という番組がありました。
各分野のクレイジーな人たち(日本人)を取材し、活動内容を撮影するドキュメンタリー番組なのですが、2回ほどお酒の分野でのジャーニーが紹介されました。

一人目はウイスキーラバーとして、酒屋「目白田中屋」を営む栗林幸吉さん。
二人目がテキーラを愛するあまり現地メキシコへ飛び、テキーラ職人になった景田哲夫さん

クレイジージャーニーがあまりスポンサー臭のしない番組だったこともあり、番組内容自体は「カスカウィン」を売ることよりも、テキーラに命をけている一人の日本人、景田哲夫さんの生き方に焦点を当てている印象でした。
それが良かったのか分かりませんが、私も購入しようとHPを覗いたら既にレポサドとアネホ(熟成させたタイプ)は売り切れ。(後日酒屋でみかけて買いました)

おそらくそれまでには国内輸入がなかったであろうローカルな蒸留所のお酒が日本で手に入り、メキシコー日本間の縁を一つ作った番組の功績は酒飲みの私にとっては大きな喜びでした。

番組自体はMCやジャーニー達がまっとうに仕事をしていた中、制作陣の度重なる不祥事(ヤラセ)のため番組休止からの終了。
ヤラセは確かに良くないかもしれませんが、人命に関わったり他人の名誉を損ねるものでもなかったので(その回のジャーニーさんは損ねてしまったかもしれないが)、世間やジャーニーさんに謝罪した上でもう一度復活して欲しいと思います。

普通の番組が普通にお酒を扱うと、正直大手メーカーの銘柄プッシュしかやりませんし、お酒の文化やそれにまつわる背景など滅多に扱わず、無駄にストーリー化させてしまい、大事だけど地味な部分はカットされたりします。
もうちょっとお酒の番組あってもいいんじゃないかなあと思うのですが、今の御時世、規制ばっかりですからしょうがないのかもしれません。

評価

味わい    A
香り     A
入手性    Bー
コスパ    B+
個人的評価  A

味わいに関して、優しい自然な甘み、若干のスパイシーさ。
後味はクセのある甘みがじわっと苦味と共に残りますがスッときれいに引きます。
雑味が少なく、しかしテキーラらしい味はしっかりと残っています。

香りはテキーラくささはもちろんですが刺激はなく、甘い香りと草っぽい香り。
嗅いでいると唾液がでてきそうな、魅惑的な香りです。

小規模な蒸留所ということもあり、実店舗ではなかなか見かけないと思います。
テキーラをそれなりに力を入れているか、大手の酒屋さんくらいじゃないでしょうか。
番組で紹介されたこともあって、その際に仕入れたお店にはあるかもしれません。
ネットだと普通に買えます。

コスパに関しては一度値上げがあったので、テキーラのブランコにしては高いという印象です。
とはいえテキーラにおいては非熟成=安価という方程式は成り立たず、逆にブランコが高級ラインになっているものもあるので一概には言えませんが。
高級ラインのブランコを未だ飲めていないので比較できませんが、それらと比肩しうるならコスパ良しだと思います。

個人的評価はAです。
これを飲むまではテキーラのレポサド(中期間熟成)派だったのですが、カスカウィンを飲んでブランコもイケるなあと認識を改めました。
スーパーに置いてあるものより高いですが、テキーラブランコをじっくり飲みたいなら本当におすすめの一品です。
ボトルデザインも変化球や個性が際立つテキーラの中で珍しく質実剛健風であり、伝統に対する思いと蒸留所の方向性を示しているという点で納得させられるものになっています。

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