季の美 京都ドライジン

ジン


生産地   日本、京都 京都蒸留所
度数    45度
価格    4500~5000円程度
ボタニカル  ジュニパー、オリス、ヒノキ、玉露、ゆず、レモン、山椒、生姜、笹の葉、
       赤しそ、木の芽

ジンの概要

2016年に操業開始した新しく、かつ国内初のジン専門蒸留所によるジン。
「京都」であることにこだわり、レモン以外のボタニカルは京都産。

「ジャパニーズクラフトジン」だけあって地元の焼酎・日本酒メーカーが作ったジンかと思われるかもしれませんが、先程説明したようにここはジン専門。
京都蒸溜所を管轄するナンバーワンドリンクスの代表「 デイビッド・クロール 」氏が創業者となっており、 氏は株式会社ウィスク・イー 代表取締役CEOでもあります。
彼はヘッドディスティラー(蒸留技師長) としてコッツウォルズ・ジンを手掛けている「 アレックス・デービス 」氏を起用。

海外の、お酒に関するプロ達が集まって作られた国産ジンであるという、かなり独特な背景を持ったジンだと言えます。
故に日本の良いもの、海外の技術を取り込んだ面白いジンです。

このジンのすごいところ

究極的には、このジンの誕生そのものが象徴的でありすごいところであります。
世界的にクラフトジンブームが来ているなか、日本における「ジャパニーズクラフトジン」という存在認識を世に大きく知らしめたのは『季の美』だと思います。

一応『季の美』以前にも、「クラフト」っぽいジンは日本に入ってきていましたが(ヘンドリックスなど)、まだ国内におけるジンの扱いそのものが大きなく、今では「クラフトジン」といわれるような銘柄も「プレミアムジン」みたいなくくりで紹介されていました。

『季の美』発売以前から本坊酒造さんがジンを生み出すための試験的なスピリッツを作り、結果『和美人』を作り上げましたが、それらを含めた『季の美』以降の国産ジンの登場の勢いはすごいものでした。

ジンそのものからはハズレますが、京都蒸留所は意欲的に様々なジンの製造に取り組んでいて、スロージンやオールドトムジンといったタイプの製造、またウイスキーやラム、シャンパンを熟成する際に使用された樽を用いてジンを熟成させています。
(ウイスキーはキルホーマンのバーボン樽)

ジン製造だけでなく、ブランディング、セールス、広告などあらゆる面で戦略的に攻めているという印象があります。

「ジャパニーズクラフトジン」を語る上で絶対に外せないジンに一つだと思います。

ちなみに、ボトルデザインも非常に力が入っており、洋酒と共に並べても違和感がないです。

評価

味わい    A
香り    B+
入手性   A
コスパ   B
個人的評価 B+

ドライジンとしてまとまった味わいで、甘さと苦みの残り具合が上品。
国産ジンに多くみられる強烈な個性があるわけでなく、軽い飲み口でアルコール感も少ない。

香りは強すぎず、弱すぎず。
スタンダードの安いジンに比べて香りはしっかりしているが、鼻腔を通り抜けるような余韻は少ない。
柑橘系の香り、そして奥にお茶の香りがするような気がします。

国産クラフトジンの中では(値段を除いて)ズバぬけて入手性が良いです。
洋酒を扱っている酒屋(新しい銘柄も仕入れるところ)はもちろん、品揃えが良いスーパーなんかにもおいてあったりします。

コスパを語るのは難しいところです。
割って飲むには勿体ないし、ストレートでじっくり飲んだときの個性や面白さは他の同価格帯の銘柄に負けてしまう。
和テイストかつ焼酎っぽさがないジンとして、和路線のカクテルで使用するには扱いやすいジンなのかもしれません。
ジンは低価格帯からラインナップが充実しているので、初心者に5000円程度のこのジンを勧めるのも厳しいかなあ。

総評として、無難に飲める「ジャパニーズクラフトジン」というところでしょうか。
全体的によくまとまっていて変な癖は少ないです。
値段はともかく、味わいとしては初心者にもオススメできる銘柄です。

最後に。
『季の美』は派生商品が多く、限定品も多いためプレミアが付いているものも多いです。
私は流石に限定品までは追いきれないのでBar飲みで済ませていますが、今後欲しい路線のジンが出た際には(特に限定品は)購入を様子見していると売り切れてしまう可能性があるのでご注意を。
ま、プレミアといいましてもウイスキーに比べたらかわいいものなので、いざとなったらヤフオクとかで購入はできると思います。

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