生産地 日本 宮崎県
度数 59度
価格 2750円(200ml)
分類 ウイスキー ニューメイク
製造者 尾鈴山蒸留所
概要
宮崎県にある有名焼酎メーカー、尾鈴山蒸留所から生み出されたウイスキーの原液、「ニューメイク」の登場です。
ニューメイクとはポットスチル(蒸留器)から得たウイスキーの原液であり、これを加水、樽熟成させることで一般的に認知されているウイスキーとなるわけです。
生まれたばかりで無色透明、風味が荒々しく度数が高いのが特徴ですが、それを敢えて味わうことでウイスキーの方向性や将来性を感じながら楽しむことができます。
今から数年後にどういうウイスキーになるのか?
生まれたときから未来に向かっているお酒であり、時間とお酒の関係性を考えさせられます。
尾鈴ニューメイクに話を戻します。
尾鈴山蒸留所はあの有名焼酎『百年の孤独』や『中々』を作っている「黒木本店」さんが建てた蒸留所であり、尾鈴山蒸留所としては焼酎の『山ねこ』『山翡翠』『山猿』が有名だと思います。
『百年の孤独』や『中々』といった麦焼酎を作っているので、麦は地元産を使い箱の中で麦芽を育てていたりと、焼酎メーカーならではの製造を行っています。
今回ニューメイクが登場したということは将来的には地元ウイスキーが生まれるということであり非常に期待が高まります。
評価
味わい B+
香り B
入手性 C
コスパ C
個人的評価 B+
ニューメイクを評価するというのはちょっとむずかしいのですが、ウイスキーとしての軸ではなく単に59度のモルトのお酒としてどうなのか、単体での評価にしています。
味わいに関してはニューメイクに感じられる、乳製品というかヨーグルト風の甘みが最初にやってきます。
そこからアルコールの辛味、麦っぽさが感じられるのですが今回のものは以前私が飲んだとあるスコッチのニューメイク(キングスバーンズ蒸留所)とはやはり違っています。
あちらのほうが麦らしい麦の風味が感じられ、シャープな味わいに対し、こちらは味がぼわっと膨らむようなふくよかな味わい。
甲乙つけるというわけではなく、ニューメイクでもこれだけ違うんだなと身を持って感じられる程度に味が違います。
香りはニューメイクらしくアルコールの香りに混じって材料であるモルトの香りがしてきます。
刺激がそれなりにあるので香りは今後の樽熟成でどう変わっていくのか楽しみな要素です。
入手に関しては少量生産、かつ追加生産の予定はないと聞いたのでしばらくしたら買えなくなるかもしれません。
コスパに関しては200mlで2700円なのでフルボトル換算するとけっこういい値段になりスコッチの熟成物が普通に買えてしまいます。
といいますか、ニューメイクはコスパで考えたり、単に美味しいお酒を妥当な値段で飲みたい、といった生活に根付いた飲酒とは違った場所にあるお酒だと思います。
単純に美味いウイスキーが飲みたいだけなら同値段帯のスコッチなりジャパニーズウイスキーなりを買ったほうが満足感が大きいでしょう。
個人的評価としてB+をつけています。
高い度数の割にはスっと飲める優しい甘さ、焼酎を思わせるようなクセのある香り、舌に残る辛味が静かに引いていく感触はなかなか面白いです。
味目的で購入するのも200mlなので悪くないですし、今後どういうお酒になっていくのかと思いを馳せながらのんだり、保存して数年後に発売されるウイスキーと飲み比べするのも楽しいと思います。
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