味じゃない、お酒の楽しみ方~ボトルデザイン

雑記

お酒の楽しみ方(ボトルデザイン)

今回はお酒の中身以外のことを書こうと思います。
私が短い時間ながらもお酒と付き合ってきて感じたことの一つに、
「どうやらお酒って色々な楽しみ方があるぞ」
というものがあります。

お酒の本質はやはり味だとは思いますが、舌で味わう以外の楽しみ方も結構あると思うんですよ。
その中の一つに「お酒のボトルデザイン」(あるいはラベル)があります。

街中を歩いていると、繁華街には無数の飲食店が立ち並びます。
その中のいくつかは、主にワインを扱うジャンルのお店なのでしょうが、空ワインボトルを並べたりディスプレイしているものも見受けられます。

お酒、特に洋酒のボトルは凝ったデザイン、ラベルのものも多くありそのままちょっとしたインテリアや花瓶などに使えそうなものもあります。
今回はそういったものをお酒のジャンルを踏まえたうえで少しご紹介したいと思います。

ジンのボトルデザイン

まずは4大スピリッツの中で今一番熱いであろうジンから。
ジンは世界各地で作られているお酒ですが、基本的には欧米風の、垢抜けた都会的なシルエットのボトルが多いです。

『No.3 ロンドンドライジン』

『ビーフィーター クラウンジュエル』

色鮮やかなボトルカラー、シュッとしたシルエットは都会的。
シュタインヘーガーやジュネヴァといったジンでは陶器ボトルも見受けられますが、オシャレでスタイリッシュな方向性にデザインされているものが多い印象です。

『ジェネラスジン』

『サイレントプール』

ジンのボトルは平均的にオシャレ度が高く、華麗なものからシックなものまで幅が広く、またジンの特徴でもある多様なボタニカルを模したデザインをほどこされているものも多くあります。
ボトルのシルエットがスリムなので、単にラベルが貼ってあるだけのものでも酒棚の邪魔をせずバックバーの風景に馴染みます。

ウォッカのボトルデザイン

結論から言うと、お酒のボトル(蒸留酒)においてオシャレ度の平均値が最も高いのはウォッカだと思います。
ガラス細工としてボトルを見た際にはテキーラやグラッパもなかなかなのですが、純粋にデザインとシルエットでみたときのカッコよさはウォッカが一番なんじゃないでしょうか。

『ジャパニーズクラフトウォッカ 白』

『1983 Jキャビアウォッカ』

ウォッカも方向性としてはジンのように都会的、スタイリッシュなボトルが多いのですが、作られている土地のイメージやウォッカの特徴であるクリアな味わいから、シンプルかつ綺麗なものが多く見受けられます。

『ベルヴェデール』

『シデリット ラクテ』

『シロック』

シンプル、綺麗めで野暮ったいものが少ないウォッカですが、隠し玉としてインパクト大なものもあったります。

『クリスタルヘッド オーロラ』

その他、まんま消化器な見た目のものもあります。
ウォッカは基本的に熟成させないので、値段帯としてはコスパが良いお酒なのですが、味の幅や特徴、香りに極端な違いがあるわけではないので(他スピリッツに比べて)、物凄く力を入れている酒屋さん(実店舗)は少ないです。

「オシャレなウォッカ」で画像検索すると本当にデザインが凝ってあったりきれいなものが多数あるのですが、ネットショップなどでも扱いがない銘柄が多いので、狙ってきれいなボトルを集めるのは少々困難な酒類です。

ラムのボトルデザイン

ラムは4大スピリットの中で一番器用だと思います。
世界各地で作られていることもありますが、飲まれ方も様々であり、多種多様なボトルが世の中に存在します。
系統としておおざっぱに3種類にわけてみると、

①ウイスキーのようなボトル

『ニューグローブ』

②スタイリッシュ、オシャレな色使いのボトル

『ピンクピジョン』(旧ボトル)

③地域性、民芸品色が強いボトル

『デッドヘッド』

正直、ラム酒にあまり興味ない人にズラっとラム酒を並べた画像を見せても同一のジャンルのお酒だと分からないと思います。
私が紹介したのはほんの一部です。

地域性の強い、いい意味で泥臭いデザインのボトルもあれば、超大物ミュージシャン「ブルーノ・マーズ」がプロデュースした都会的なラム酒もあったりと方向性にバラつきがあり、混沌としています。

基本的には上記のようなウイスキーに近いスリムボトル+ラベルものが多く、加えて『ディプロマティコ』や『ディクタドール』のように中身が見えない(見えにくい)ボトルが見受けられます。

『ディプロマティコ』

テキーラのボトルデザイン

テキーラのボトルデザインを一言で語るならば、それはまさに「自由」となるでしょう。
テキーラは原産地呼称制度を採っているお酒であるため、基本的にはメキシコでしか作られていません。
なのでメキシコの歴史、社会性、国民性、価値観が非常に色濃くでたボトルデザインのものがある一方で、以外と器用さを兼ねている点がポイントです。

地酒イメージが強いテキーラではありますが、セレブ達がブランドを所有していたりと高級、高品質、スタイリッシュとある意味相反するようなデザインを内包しており、ボトルをズラっと並べて一番楽しいお酒は間違いなくテキーラだと私個人は思います。

都会的なデザイン

『カサノブレ』

『オチョ』

『パトロン』をはじめ、セレブが関わったりセレブ的なストーリーを持つお酒があるテキーラ。
各メーカーの一万円を超える銘柄達はゴージャス&ラグジュアリー感満載。
騒いで飲んだり一気飲みで飲むような雰囲気じゃないです。

伝統や価値観が現れているデザイン

『カー』

『チリカリエンテ』

メキシコの祝日、「死者の日」の影響なのか、骸骨を模したボトルやデザインはよく目にする。
ウォッカのドクロボトルがクリスタルのようなクリアーさ、オシャレさがあるのに対し、テキーラは日常性を感じるコミカルなタッチになっているのは面白い対比です。

テキーラは、基本的には一つの銘柄に対して熟成度合いの違いに応じた三種類が製造されていることが多いです。
「ブランコ」や「レポサド」、「アネホ」という具合であり、それに応じて綺麗にガラスの色を変えてあるものもあるので、それらを揃えると非常に見栄えが良いです。
同じ銘柄だけど色違いを揃える楽しみ、といった他のスピリッツでは難しい楽しみ方ができます。

そうした特徴を最大限に生かした『カジノアズール コレクション』

最後に

というふうに、今回は4大スピリッツに絞ってボトルデザインの紹介をしました。
繰り返しになりますがお酒は中身が大事です。
しかしそれだけでもないというのが、こうして凝られたボトル達を見ていると実感として感じられますね。
地域性や表現したいもの、作り手の熱意など、味だけでなくトータルな全体像としてのお酒を楽しめると、ほんの少しでもお酒がより美味しく楽しめる気がします。

味じゃない部分にも力を入れて楽しむのは、私達人間にとっての贅沢であり喜びじゃないかと思えます。

お酒は嗜好品でありアルコールですので、味以前に飲むことができない方々もいらっしゃいます。
そうした方々が「飲めないけどボトルが好き」「その土地の思い出の品だから」というそれぞれの価値観を持って接することができるお酒のとっかかりの一つとしても、ボトルデザインというものはあると思うのです。

この私も、そうしたお酒達の姿に魅了された人間の一人であります。

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